365在线体育投注-【官网直营】@

图片

実体験をもとにした第二言語教育 国際言語学会で発表 リベラルアーツ学群 上田 裕美子さん

2025/05/16(金)

  • 大学
  • リベラルアーツ学群
  • お知らせ
  • 教育?研究
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
リベラルアーツ学群4年 上田 裕美子さん

リベラルアーツ学群4年の上田裕美子さんが、2025年3月29日(土)に香港理工大学で開催された国際言語学会「応用言語学?言語研究 学部生カンファレンス」で「日本の第二言語教育の異文化コミュニケーションの必要性」について発表を行いました。

上田さんは現在、教職課程(英語)と日本語教員養成課程の2つの資格課程に登録し、英語教員、日本語教員の両方の免許取得を目指しています。上田さんは中国語が母語で、日本語は第二言語。今回の学会では、マルチリンガル能力を発揮し、第三言語となる英語で発表に臨みました。日本からの参加者は上田さんただ一人でした。

幼少期を中国で過ごした上田さんは、中学進学時に来日。当時は全く日本語が話せず、少しの発音や仕草の違いで「外国人扱い」をされたことから、周りの人の話し方をよく観察したり、真似したりして一生懸命に日本語を勉強しました。ある登校時に、習った通りの日本語で「今朝、朝ごはんを食べましたか?」と友達に聞いたところ、友達から指摘をもらい初めて「タメロ」という日本語を知りました。また中国語の発音は音が強く、日本人からしたら「怒っているように聞こえる」ということも会話の中から学びました。上田さんは日本語を学ぶ過程で、文法をひたすら勉強するよりも実際のコミュニケーションや文化への理解こそが言葉を学ぶ鍵ではないかと考えたそうです。日本語だけではなく、「カタカナ英語」についても悩まされていました。中国では小学生3年生から英語教育を受けていたため、英単語は聞き馴染みがあったものの、日本語のカタカナ表記では、自分の耳で聞こえている音と違う表記になることに戸惑いがあったそうです。
高校進学後、上田さんは周りに馴染むために、3年間中国ルーツを隠していたこともありました。そのため、自分から言わない限り周りには分からないほどのネイティブレベルになりました。

上田さんは言語と真剣に向き合った経験から、言語を学ぶということは、いわゆる文法や単語を覚えるため、テストや受験のためではないと強く考えています。言語を学ぶことで自分の世界、可能性を広げることができ、大切はのはそれを使えることだと考えました。異なる文化的アイデンティティを理解し、それを持つ人々とどのようにコミュニケーションを取るかが言語の始まりだと信じています。

もともと先生という職業に憧れがあった上田さんは、日本語と英語の教 員免許が取得できる本学のリベラルアーツ学群に入学。自分が苦労してきたことを言語学という学問的に理解でき、さらに言語学の面白さを感じるようになりました。上田さんは言語学習における異文化コミュニケーションの大切さについてゼミで研究し、今回の発表に至りました。自身の経験も踏まえ、学んだ知識を振り絞ってプレゼンテーションを仕上げました。教師としても、日本の学校の言語教育にはもっとできることがあるのではないかと考えています。

発表当日は、世界各国から言語学を学ぶ学生が集まり発表が行われました。1番広い教室での発表となった上田さんは手が震えるほど緊張しながらも、自身の実体験や身近な例を用いて「日本の第二言語教育の異文化コミュニケーションの必要性」について発表を行いました。うなずきながら聞いてくれる人が多くいたことや、様々な大学の教授が聞きに来てくれたことが嬉しかったと話しました。またマカオの学生が発表後に話しかけてくれ「自国ではかたい事例を使うことが多いため、事例の自由さに驚いた。日本の自由な教育に興味を持ったし、新しい世界を知ることができた」と言ってもらったことも励みとなりました。 学会の参加者との交流を通し、発表者の英語レベルの高さに加え、専門性の高さにとても良い刺激を受けました。上田さんは卒業後、海外の大学院への進学を考えており、ゆくゆくは世界を飛び回りながら、自身も日本語や英語を勉強した経験を実例として教えていきたいと考えています。

ページの先頭へ