アメリカンフットボール部 トレーナー 郷田 万紀子
ベストパフォーマンスを引き出す。それが、トレーナーの使命
アメリカンフットボール部 トレーナー
郷田 万紀子 健康福祉学群 3年
神奈川県 横浜市立南高等学校出身

選手をサポートする仕事をしていきたいと思ったことがきっかけで、アメリカンフットボール部に興味を持った
中学までは、ソフトボールや水泳をしていた。高校に入り、友だちに誘われ、それほど深く考えずに野球部のマネージャーを始めた。野球部は強いチームではなかったが、練習や規律が厳しく、マネージャーも掃除やスコアを書くほか選手の環境を整える仕事も多く、ハードだった。それでも、一生懸命に頑張る人たちをサポートする仕事にはやりがいを感じた。
大学では、将来、スポーツに関連する職業に活かすことのできる分野を学びたいと思っていた。桜美林大学の健康福祉学群は、スポーツリーダーや認定心理士、健康心理士などの資格取得が可能であり、また、さまざまなスポーツ関連ビジネスに就ける選択肢がたくさんあることを知り、入学した。
新入生歓迎会で行われたクラブ紹介で、アメリカンフットボール部のトレーナー募集が目に留まった。スタッフに話を聞くと、選手の体調管理のほか、練習前にテーピングをしたり、練習後はストレッチを行ったりするなど、常に選手をケアしてベストパフォーマンスを引き出していくことが仕事だと紹介された。その紹介のなかには、「栄養」「体調管理」「ストレッチ」など、スポーツ関連の仕事を志す私にとって魅力的な言葉が散りばめられていた。また、桜美林大学のアメリカンフットボール部の洗練された雰囲気や、スタッフの明るさも魅力に感じた。アメリカンフットボールのことは全く知らなかったが、私はトレーナーに桃戦することにした。
トレーナー業務はさまざまな知識と技術の集合体でできている
桜美林大学アメリカンフットボール部にはプロの専属トレーナーがいて、その方から私たちはトレーナーの業務について学ぶ。テーピングやストレッチの基礎的な知識や技術、体重管理に伴う食事のあり方や練習メニューの組み方などの指導を受けてきた。その後、細かなことに関しては先輩から学んだり、自分で調べたりしながらトレーナーのスキルを身につけていく。アメリカンフットボールはそれぞれのポジションによって体の鍛え方が違う。ほぼ共通しているのは、当たり負けしない体を作るため、多くの人が体重を増やし、筋肉を付けなければいけない。間近で人と人がぶつかり合う迫力に圧倒されながら、本当に万全な準備をして臨まなければ重いケガをしてしまうスポーツだと思うし、トレーナーの役割も重要に思えた。
トレーナー業務に必要な知識は多岐にわたる。体重管理をはじめ、ケガの応急手当やケガをした人の復帰計画の作成などに関わる医療的な知識、テーピングやストレッチなど人間の体の構造を理解した上で行う理学療法的な知識、食事の提案など栄養管理的な知識。そのほか、筋力の向上を図るストレングスや、体力の向上を図るコンディショニングなど、学ぶべきことはたくさんあり、一つのことを極めたいと探求すると、その奥にはとてつもなく深い世界が広がっている。
しかも、お手本に習ってこれらを実践しようとしても、なかなか上手くいかない。ストレッチでも、一人ひとりの筋肉の凝り方が違うし、ほぐし方も違う。ストレッチには疑ったからといって触っていい筋肉と触っていけない箇所があるなど、実践を通して初めて効果的なストレッチの方法に気づくなど勉強になることがたくさんあった。
私はこの大変さがとても気に入った。なぜなら、この知識と技術が、将来どこかで必ず役に立つと思えるからだ。健康福祉学群には教育実習やインターンシップなど、「現場を知る体験」を通して大きく成長するという機会があるが、私は毎日、実習をしている感覚になる。しかも、毎日、飛び込んでくる課題が違い、その問題解決能力を問われている気がする。
選手が活躍できるように日々の取り組みに対して教育していく立場に責任を持つ
トレーナーの立場の面白さは、選手をケアするばかりでないところ。体重測定の変化に異常な動きを見つけると、何かしら選手が栄養管理面で計画から外れたことを行っているケースが多い。それを見つけ、自己管理の甘さを指摘し、指導しなくてはならない。また、怪我をした選手の復帰計画については、専属のトレーナーが作成したメニューを元に、選手を指導していく。私たちは怪我する前よりもより良い状態にして復帰させたいと思っている。けれどもまず、怪我を未然に防ぐために、ストレッチの指導など日々の生活でできることから教えていくことが教育する立場であり、重要な役割だと考えている。
「選手を教育する立場」。それが、トレーナーの本来あるべき姿で、この役割にとても誇りを持っている。現在、トレーナーは8人いる。来年は4年生になる私がトレーナーを取り仕切っていかなければならない。私が入った頃は実質3人しかおらず、本当に手が足りなかった。そのため上級生に頼ってばかりいられず、なんとか追いつきたいと思い、必死になっていろいろなことを覚え、吸収しようと取り組んできた。今は、トレーナーの教育制度も整ってきた。来年は、トレーナーという業務の素晴らしさをアピールし、多くの新入生が加わってくれることを期待している。
最後に、桜美林大学アメリカンフットボール部は練習環境がとても充実していることを伝えたい。施設が整っているばかりでなく、チームの人間関係も、先輩後輩関係なく意見交換ができ、尊敬し合える環境だと思う。近年、このチームは急激に力をつけている。もうすでにTOP8で戦える実力をつけていると思う。その活躍を私たちも戦力として携わりたい。