弓道部 主将 堀内 一真
選手のときも、介添えのときも、常にできることを考えた
弓道部 主将
堀内 一真 リベラルアーツ学群 4年
長野県 飯田風越高等学校出身
誰よりも練習して見返す、決意とともに始めた弓道
「あのチームのキャプテンはお飾りだから大丈夫」。このセリフを聞いたのは、小学校から中学校まで続けていたサッカーの練習試合でした。当時キャプテンを任されていた私は、たしかに1番上手だったわけではありません。けれど、この言葉は私の心にグサリと重く突き刺さりました。その後も頑張って練習を続けてみましたが、上手な人との差を埋められないまま引退に。高校でもサッカーを続けるか迷ましたが、気持ちをきっぱりと切り替えて新しいスポーツを探すことにしました。
そのときに出会ったのが弓道です。弓道は高校から始める人が多いスポーツだと聞いたとき、私は決意しました。「もうお飾りなんて言わせない、スタートが一緒なら誰よりも練習して見返してやろう」と。そしてその決意通り、高校では団体で県準優勝と射技の優秀賞をいただき、個人では国体選手として国民体育大会にも出場することができました。
不貞腐れていた自分が、先輩の言葉でチームを意識
桜美林大学を知ったのは、本学のOBの方に勧められたことがきっかけです。いろいろと調べるうちに桜美林大学弓道部の射技や体配の美しさに感動し、入学を決意しました。ただ、2年生のときは全く試合に出られませんでした。選手が引いた矢を回収したり、荷物を運んだりと雑用ばかり。正直に言うと不貞腐れていました。ところが、ある試合の終わりに突然先輩から、「ありがとう」と言われたのです。なぜ感謝されたのか分からず戸惑う私に先輩は、「仕事を頑張ってくれた人がいたから、勝つために集中できた」と続けました。この言葉を聞いたとき、何を不貞腐れているのだ、と今までの自分が恥ずかしくなりました。
それから私は、試合は一人で戦うものではなく「チーム」で戦っていることを強く意識するようになりました。大会の選手から外れても、自分がどのように働けば選手のためになるのかを考える。例えば、後輩が大会に出場していれば、「お疲れ」「頑張って」と声をかける。私が試合に出たときは、働いてくれた人たちに「ありがとう」としっかり声に出して感謝を伝える。それからです、私が選手に選ばれることがだんだんと増えてきたのは。
再び大会の選手から外れるも、流したのは嬉し涙
去年の夏に開催された全関東大会では再び選手から外れることになりましたが、私は監督から選手の「介添え」に任命されました。担当することになったのは、まだ入部して間もない1年生の選手。事前に選手から苦手なことを尋ね、声かけやアドバイスを徹底しました。「なぜできなかったのか、何がダメだったのか」と厳しい言葉もかけていたので、選手が落ち込むのではないかと不安もありましたが、結果は9年ぶり2度目の優勝。後輩からは「堀内さんのおかげです。ありがとうございました」という言葉ももらい、これには思わず涙があふれました。
今後はもちろん日本一を目指したいのですが、365在线体育投注-【官网直营】@の影響で試合が開催されるか分からない状況です。だからこそ、もし私たちが日本一を目指せなかった場合は、この夢を後輩たちが引き継いでほしいと思っています。そのために今は、悩みを聞いてアドバイスしたり、私たちが今まで経験したことを伝えたり、先輩としてできるだけのことをして後輩たちにつなげていきたいです。