弓道部 主将 仲村 太一
「無心になる」どんな状況でも中て(あて)続けるために
弓道部 主将
仲村 太一 リベラルアーツ学群 3年
大阪府 大阪学院大学高等学校出身
自ら考えて取り組む。その姿勢を学んだ桜美林
中学時代はサッカー部でしたが、病気にかかり、運動量の多いスポーツは控えることにしました。それでも体は動かしたかったので、高校では弓道部に入部。筋力トレーニングなど練習は予想外に厳しく、体力的にキツいときもありました。でも、あのころの練習のおかげで大学でも弓道を続けるための基礎体力作りができたと感じています。
桜美林大学へは弓道部のセレクションを受けて入学しました。弓道部の練習に参加して感じたのは自主性が重視されること。高校時代はOBの方々から指導を受けて練習していましたが、大学では練習方法も自ら考えて取り組まなければなりません。人によって弓道への考え方が違えば、腕の長さなどの身体的特徴も異なるので、今思えばやり方が違うのは当然のこと。自分に合った練習方法を見つけようと試行錯誤する毎日でした。そんな中、1年生で参加した試合で大きな転機を迎えることになったのです。
自分自身を俯瞰して射形を見直し、的中率を向上
それは9月のリーグ戦第2週。他のメンバーは20本中17~19本を中てて(あてて)いましたが、私は20本中12本という成績。チーム全体では138本となり、明治大学に1本差で負けてしまいました。この敗戦は自分の練習方法を大きく見直すきっかけとなりました。練習の様子を動画撮影して何度も見直し、客観的に自分の射形を分析しました。また、先輩にもアドバイスを求め、自分では気づかなかった改善点を指摘してもらい、さらに練習に励みました。以後、普段の生活でも自分自身を冷静に俯瞰して考える癖がついたと思います。
2年生では団体戦で最後の射手となる「落」を目標にしました。「落」を務めるには9割5分の的中率が必要ですが、私はその時点で8割。あと1割5分上げるために、試合までの日数から逆算して毎月上げるべき的中率を算出しました。以後毎月、的中率を検証し、技術なのか、気持ちなのか、自分に足りないものをとことん突き詰めました。結果、4回のリーグ戦すべてで「落」を務め、個人成績は20本中平均18本と9割的中。目標には届きませんでしたが、大きく的中率を引き上げることができました。
チーム目標は王座優勝、個人では十傑を目指す
今年から主将という大任を任されました。心がけているのは、積極的に部員に声をかけるとともに練習に打ち込む自分の姿を見せること。勝つためには練習量が必要ですが、一方的に増やせと言っても部員はついてきません。自らが取り組む姿を見せて、部員をリードし、チーム目標である王座(全日本学生弓道王座決定戦)優勝を目指します。
個人の目標は十傑に入ること。リーグ戦本戦の優秀者10位までが十傑として表彰されますが、そのためには80本中79本中てる(あてる)技術が必要です。見上げるほどに高い目標かもしれませんが、目標は高ければ高いほど、自分のするべきことが明確になります。私は普段の生活でも高い目標を立て、必要なアクションを明確にして取り組んでいます。そして、実際に弓を射る際に大切なのは無心になることです。私の考える無心は何も考えないのではなく、やるべきことだけを考える無心です。弓を引いているときは中てる(あてる)ことだけを考える。対戦相手のことは関係ない。自分がやるべきことに集中すれば、どんな状況でも中て(あて)続けられると信じています。主将として、個人として、これからも弓道一筋に無心の境地で歩んでいきたいと思います。