チアリーディング部 部長 湯浅 菜々子
2度も逃した決勝進出、美しい演技でリベンジを図る
チアリーディング部 部長 スポット
湯浅 菜々子 健康福祉学群 3年
千葉県 明徳高等学校出身
楽しいはずの練習、感じたのは物足りなさ
私の母校?明徳高校は、大会で常に上位3位に入るチアの強豪校。毎日厳しい練習を重ね、優勝を目指す日々を送っていました。その反動もあったのか、高校生の頃に初めて桜美林大学のチアリーディング部を目にしたとき、素敵な雰囲気の中で楽しそうに演技をする先輩たちの姿がとても印象に残りました。私もこういうチームでチアがしたいという憧れから、桜美林大学に進学。実際に入部して練習に参加したときには、“求めていたのはこれだ!”と思わず嬉しくなりました。
ところが5月の大会に向けて練習が進むにつれ、「このままでいいのかな」と疑問を抱くことが増えていきました。常に突き詰めて練習する高校のやり方に慣れていたので、それに比べて少し物足りなさを感じていたのだと思います。まだ入部したばかりの私はその思いを上手く伝えられず、涙を流すこともありましたが、そこで嫌になってしまわなかったのは先輩たちが丁寧に話を聞き出してくれたから。一緒に物足りなさの原因や練習の目的を整理してくださり、結果的に大会ではノーミスの演技を披露することができました。相手を信じて気持ちを打ち明けたことが、絆と演技の完成度につながったのです。
美しい演技を取り戻し、次こそは決勝へ
2年生の1年間は、私にとって悔しい年になりました。例年ならば決勝まで進めていたはずの夏と冬の大会で、どちらも決勝進出を逃してしまったのです。夏の大会では、4つのタワーを上げるところで2つが落下。私たちが誇りにしていた「美しさ」の欠ける演技となってしまい、点数も今までと比べて低い結果を残してしまいました。愕然としながらも冬の大会で挽回するために準備を始めましたが、その思いが強すぎたのか、今度は練習中の無理がたたってメンバー2人が大会に出場できないほどの怪我を負うことに。当日は何とかミスなく披露できましたが、難易度を下げた演技に変更したため、またしても決勝進出は叶いませんでした。
その大会が終わってしばらくしたころ、私は部員の投票で部長に任命していただきました。もう二度と決勝進出を逃さないために、自分たちの代で美しい演技を取り戻そう。そう決心し、一人ひとりが自主性を持って練習に取り組めるようにチームの雰囲気を変えていきました。私はみんなをぐいぐい引っ張る強いタイプのリーダーではありませんが、役割や学年に関係なく発言しやすい場をつくるなど、選手同士が技術力を高め合うきっかけを多く持てるように工夫しています。
チアで学んだ信頼と思いやりを、将来に活かしたい
チアリーディングは、相手を信頼して思いやることの大切さを教えてくれるスポーツです。誰かが失敗しそうなときは、その人の分まで私が頑張る。反対に私の力が足りなかったときは、ほかの人が補ってくれる。その意識を持って動くことで、一つの技や演技が成り立ちます。メンバーを信じてやったからこそ、失敗しそうな危ない場面を成功に変えられたことが、今まで何度もありました。
そして、チアリーディングで学んだこうした思いやりは、私が専攻している社会福祉にも通ずる部分があると思います。この経験を活かして、将来は困っている人の話をしっかり聞き入れ、適切な福祉支援につなげていける人になりたいです。