チアリーディング部 木戸 直子
弱さを克服した今、挑戦する楽しさを伝えたい
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木戸 直子 健康福祉学群 2年
東京都 雪谷高等学校出身
優しい言葉さえ、プレッシャーに変わった
私が小学生の頃から通っていた地元のチアリーディングスクールのコーチが桜美林大学出身で、高校のときに憧れていたチアリーディング部の先輩も桜美林大学に進学。その先輩が高度な技をどんどん身につけていく姿を見てさらに憧れ、私も桜美林大学のチアリーディング部に入部したいと思うようになりました。
AO入試を受け、入学前の2月から練習に参加。入部後初めて迎える5月の大会では、新入生ながらAチームに入ることができました。練習は今までやったことのない技ばかり。最初は成功するたびに「この技もできた!」と楽しい気持ちでいっぱいでしたが、練習が進むにつれて技術が求められるようになると気分が一変。先輩からの厳しい言葉が増え、応えられない自分の技術不足に辛さばかりが増すようになりました。「他にも上手な先輩がいるのになぜ私が」とネガティブなことを考えたり、思うように動かない体がもどかしく無理をして体操教室に通ったり、焦る気持ちに押しつぶされていく日々。「最初はできなくても大丈夫だよ」と優しい言葉をかけてくださる先輩もいましたが、その優しい言葉でさえ、すべてプレッシャーに変わっていました。
弱さから目を背けた結果、選ばれない悔しさを経験
そんな苦しみに追い打ちをかけるように、ある技の練習中にトランポリンから落下。私は腕を怪我してしまい、メンバー交代を余儀なくされました。「たくさんの人に迷惑をかけたから、もうチームの中には入れないだろう」と勝手に思いこみ、チームから距離を置くように。幸いにも、そんな私に寄り添ってくれたメンバーのサポートもあって6月には練習に復帰しましたが、とは言え怪我のときに感じた怖さが消えたわけではありません。すっかり自信を失った私は、恐怖心から新しい技に挑戦できないまま。次の大会のチームを決める時期が来ても、正直Aチームに入りたいとすら思えませんでした。
向上心を失った状態で迎えたセレクションで、私が選ばれたのはBチーム。今まで努力してこなかったのだから当然の結果です。ところが、同じ高校だった同期がAチームに選ばれたことを知ったとたん、湧き上がったのは悔しさでした。家に帰ると涙があふれ、もうこんな不完全燃焼では終わりたくない、次の大会に向けて全力を尽くそうと誓いました。
怖さを克服できたのは、向上心と仲間の支え
それからは今まで避けていた技の練習にも積極的に挑戦し、大会では怪我の原因となった技も成功させることができました。私が弱い気持ちや恐怖心を払拭できたのは、仲間の支えを信頼できたからです。私はトップのポジションですが、「絶対にキャッチしてくれる、大丈夫」と仲間を信じることで挑戦できますし、失敗してもみんなは絶対に受け止めてくれます。そして支えてもらっている分、自分がしっかり輝こうと思えるようになる。一連の出来事を通じて、チームを信じることや向上心を持ってチャレンジする大切さを改めて実感しました。
1年生のときは自分のことに精一杯でしたが、2年生となった今は、周囲に目を向けられる先輩を目指しています。新入部員の中には、初めて挑戦する技にプレッシャーを感じて泣いてしまう子もいます。私も同じ悩みを経験したからこそ、技をプレッシャーに感じるのではなく、挑戦できるって楽しいことなのだと伝えていきたいです。