弓道部 主将 蛭間 敬人
指導者に恵まれながら、桜美林大学弓道部の伝統を守りたい
弓道部 主将
蛭間 敬人 リベラルアーツ学群 4年
群馬県 前橋育英高等学校出身
弓道の名門、桜美林大学にセレクションで好成績を収め、入学できた
中学までテニスをしていたが、高校のクラブ紹介を見ていた時、弓道部の弓を引く姿がかっこいいと思い、弓道を始めた。群馬県の弓道大会で、県内5位の成績を収め、国体に出場したこともある。大学でも弓道を続けたいと思っていたが、県内5位という実績がどこまで評価してもらえるかわからなかった。なぜなら、群馬県の隣の栃木県はレベルが高く、セレクションに参加したら栃木県勢に負けてしまうのではないかと思ったからだ。的中率が高くなければ自分は推薦されないと思ったが、桜美林大学のセレクションの日は調子が良く、的中率も9割を超え、無事、入学することができた。
桜美林大学の弓道部は東京都では常に1部リーグに位置する名門である。その強さの背景には、選手の育て方が上手いと評判だった。実際に、監督は、的を射たアドバイス、一人ひとりに合った指導、そして、その人に合った道具の選び方まで丁寧に指導してくださった。弓道は急に上達するのが難しいといわれるスポーツだが、監督の指導で急に伸びる選手が多くいた。私は入学できて本当によかったと思った。
弓道部は礼儀に対してもとても厳しく、弓道に関するさまざまな礼儀や作法、日常生活の規律など、監督の意を汲んで、1学年上の2年生が1年生を指導した。確かにその指導は厳しかったが、弓道の上達には人間としての成長が不可欠と思った。敬語や人との話し方などを今、学んでおくことがこれからの社会を生きていく上でも大切なことのように思えた。
失敗を繰り返し、試合で先輩に迷惑をかけて育った
多くのスポーツはその競技のスキルを高めるために、その競技とは別に、ウエイトトレーニングなどを行い、体幹やバランス能力を鍛えるなど、さまざまな運動をこなして体を作り上げていくというケースが多い。しかし、弓道はただひたすら弓を引いて打ち込むというスタイルが多い。特に的以外は巻藁に打ち込むことくらいで、弓を引く以外、別の運動を取り入れているわけではない。そこが、他のスポーツと違うところかもしれない。平均的に毎日80本前後打ち込む。多い人でも120本くらいまでだと思う。巻藁なら200本ということもあり得るが、量と質のバランスが弓道では大事で、理想の射形(弓を引く形)を追い求めていくことが練習となる。
私は1年の秋に初めて大会に出ることができたが、そこで何度も的を外し、私のせいで負けたといっていいほどの散々な成績を残してしまった。先輩に申し訳なく、しばらく顔を上がることができなかった。試合での失敗というのは意外と尾を引く。2年の春は大会に出ることができず、秋の大会でようやく出ることができた。そこで再び私は失敗してしまった。選手は試合前の練習期間の調子の良さで選ばれる。私はその頃とても調子が良く、試合でも期待された。にもかかわらず、先輩の最後の大会を早く終わらせてしまった。先輩はうつむき、監督は天を仰いでため息をついていた。本当に期待にそえず申し訳なく思った。チームに貢献しようと必死で練習してきたのに、結果を出せない。弓道は本当に難しい。
3年の終わりに主将になる。上手くいかない選手をサポートする
私が3年生になり、新入生が入ってきた。1年の練習を見ていると、「離れ」が上手な後輩がいた。それは矢を射った後の右手の指や、弓を持った左手の動きの美しさだった。私はいつもそこが安定していなかった。それは毎回違う弓の引き方をしていたことを示していた。どうやったらあのような美しい形になるのだろう。私は下級生の射形をお手本に、監督や先輩にもアドバイスをいただきながら研究を始めた。弓道は人の姿を見て学ぶことが多い。それは学年男女関係なく。いつも弓道のことを考えていると、ある日突然その答えとなる姿が目に飛び込んでくることがある。大切なのはいつも考えていることである。
そんなことがあってから、私は思い通りの的中率を獲得できるようになった。3年生の春のリーグ戦では3試合で2回の皆中賞(20/20中)をいただいた。なにより監督に喜んでもらえたことが無上の喜びだった。その好調は1年間安定して続いた。そうして3年生の終わりに私は主将に任命された。
正直、主将に自分がふさわしいかどうかは疑問である。チームへの貢献度よりも迷惑をかけてきた方が大きかったからだ。それでも、射形が上手く決まらない悩みを持つ後輩の相談には乗ることができ、試合で結果を出せずにいる選手がいたら、そのスランプを抜け出すまで一緒に悩んであげられる。どちらかというと、チームを鼓舞するよりもサポートする主将としての役割が自分にはふさわしいと思うようになった。
弓道部は1年で礼儀を徹底して教え込まれるクラブである。自立心を持った学生も多く、チームの輪を乱すという人がいない。上級生に対して敬語を使うが、仲間としてはとても仲が良く、良好なチームワークを維持している。主将として最高学年を迎えた今年は、桜美林大学弓道部の伝統を守り、その名に恥じない活躍をしていきたいと思っている。
スランプを経験すると、人は一段成長できると信じている
弓道部 副務
村上 頌 リベラルアーツ学群 3年
このチームで全国制覇を狙う中核選手に成長していきたい
仲村 太一 リベラルアーツ学群 1年