ソングリーディング部 部長 行藤 世奈
ソングリーディングを通して、ひとりの人間として大きく成長していく。
ソングリーディング部 部長
行藤 世奈 健康福祉学群 4年
熊本県 九州学院高等学校出身
中学の時、全国大会に参加し、初めてCREAMの演技を観て衝撃を受けた
小学校はチアリーディングをしていた。中学に入り、チアダンスをはじめ、そのまま中高一貫校である九州学院高校でチアダンスを続けた。九州学院高校は、当時九州地区ではナンバーワンといわれ、全国大会にも参加することができた。そこで、初めて桜美林大学のソングリーディング部の演技を観ることができた。
衝撃だった。チームから出てくる世界観というものが、チアダンスには必要だということを演技から教わった。私たちは、全国3位に入賞したのにもかかわらず、これまでただ楽しければいいというチアダンスをしてきたように思えた。桜美林のソングリーディング部に入りたい! 私は強くそう思った。チアダンスは関東地区が盛んだったので、セレクションに参加した時、私のレベルがどのくらいなのかよくわからなかった。ただ、このクラブに入りたいという熱意は人一倍伝えたように思う。今、思えば自分の必死さがかわいく思える。
CREAMの良さは、気持ちを大切にすることだ。一つの表現に対してもチームの中で密度の濃い会話をする。一人ひとりの意見を大切にしながら、一つの形をまとめ、仕上げていく。こういう人間関係の中で、私は人としても成長できていると思うと、このチームに入って本当によかったと思った
引っ込み思案なままではダメと、先輩に愛情を持って叱られる
私は人見知りだった。ダンスこそ、私の唯一の表現法だったけれど、自分の意見を言わず、話し合いも消極的だった。チームで決まったことを完璧にこなそうと努力していた。でも、それではダメだったらしい。そのことを1年生の10月に先輩に指摘された。意思疎通ができているかわからず、行藤とは踊りたくないと突き放された。ダンスで先輩の思いに応えている。一生懸命私なりに応えている。自分がそう思っているだけではダメで、自分の考えや思ったことをちゃんと伝えないとわかり合えないこともある。私は、このままの性格ではいけないと、深く反省した。はじめは、空回りして少しぎこちないかもしれないが、なるべく積極的に発言するように心がけた。
そんな私を、コーチから副部長に任命された。2年生のことである。こうなると、「この曲はこう理解した方がいい」「この振りはこの流れにした方がいい」とみんながそれぞれの意見を出した時、それについてまとめていく役割も必要となってくる。人見知りの話どころでなく、リーダーシップを発揮しなさいと言われているようなものだった。また、ただ話すだけではなく、熱い思いを持って話し伝えなくては、人を動かせないということも、その経験の中で学んだ。
こんな私でも唯一得意なことがある。それは、再現力といったらいいか、表現の理解力といったほうがいいか、誰かがこのような世界観で踊りたいと話した時、例えばこんな表現法といって、ダンスで表現してみせることが得意なことである。コーチからの振り付けも、すぐに再現し、みんなにその踊りを伝えることも得意である。そのためか、3年生になり、私は部長に任命された。
表現の可能性を再認識した世界大会
ソングリーディングの大きな大会といわれるのは、2つある。11月の「ALL JAPAN CHEER DANCE CHAMPIONSHIP」と、世界大会への推薦も受けられる3月の「USA School & College Nationals」である。部長として参加した「ALL JAPAN CHEER DANCE CHAMPIONSHIP」では、Jazz部門2位、pom部門3位、「USA School & College Nationals」では、open部門2位、pom部門4位だった。自分達の納得のいく演技が魅せきれたこそ結果で出せなかったことに悔しかった。
この大会のほかに、「World of Dance Championship」という大会がある。これはソングリーディングの大会というより、コンテンポラリーあり、ヒップホップありの、ジャンルを超えたダンスの大会である。いわば、ソングリーディングの正式な大会ではなく、CREAMが独自にエントリーしたフリー参加の大会となる。日本での大会で2位に入り、私たちは7月にアメリカ?カリフォルニア州アナハイムで行われる世界大会の切符を手にした。
ソングリーディングの正式な大会ではないので、自由参加という形になるが、私たちはいつか世界大会に参加するためにと、チームで貯めてきた貯金を使って、思い切って参加した。結果は、私たちは予選で敗退となった。本番で思うように力が出せなかったのだ。わざわざアメリカまで行って、チームの弱点を気づかされることになったが得るものも大きかった。コンテンポラリーダンサーの方々とのワークショップなどに参加し、ソングリーディングの表現には、まだまだ可能性を秘めていることを再確認できた。
世界大会が終わり世代交代をし、今の3年生に部長を引き継ぐことになる。私は11月の大会で引退になるので、CREAMで経験してきたことを言葉と身体で後輩たちに全て伝えきりたい。そして日本一を目指し、まだまだたくさんの方に心で踊るから伝わる演技を届けていきたい。