ソングリーディング部 泉 碧乃
心が通うチームワークは日本一。後はそれを体で表現したい
ソングリーディング部
泉 碧乃 健康福祉学群 4年
神奈川県 横浜創英中学?高等学校出身
高校は3年間日本一のチーム。桜美林大学には憧れの先輩がいた
小学校2年生からチアダンスを始めた。中学もクラブチームでチアダンスをした。高校ではソングリーディングの名門といわれた横浜創英高校に進みバトン部に所属した。在籍中の3年間は大会ですべて日本一になり、また、世界大会でも優勝を経験した。ソングリーディングでのターンの速さと多さには定評のある学校だった。
それでも、大会の大学部門に参加していた桜美林大学のソングリーディング部は、私たちが足元にも及ばない迫力があり圧倒される演技をしていた。横浜創英高校の先輩がセンターで踊っていて、その光り輝く姿に憧れた。私は進学するなら桜美林大学とずっと決めていた。
高校と大学の練習の考え方は違っていた。練習時間はむしろ高校の方が長い。大学は月?金曜日が完全オフで、自主練に充てたり、アルバイトをする学生もいた。一見、練習が楽なように思われがちだが、大学で求められる能力のレベルはずっと高かった。高校までは日本一を死守するという思いもあって、より速く、より多く回るなど、元気に動くことを重視した練習が多かった気がする。桜美林は一つの表現に対し、みんなで研究する。たとえば、より綺麗に回るにはどうしたらいいか、どんな風にみせたら意図が伝わるかなどを研究するので、それが「繊細さ」となって表れてくるといった感じだった。また、振り付けのアレンジに関して、学年に関係なくみんなで意見を出し合う。「学ぶ」というより「創る」ということを重視した練習と言ってもいいかもしれない。
学年リーダーの役割、いろいろ考え、迷いながらも、前に進む
高校はポンポンを中心とした表現が多く、あまりジャズダンスをしてこなかった。ジャズダンスの魅力は、ポンポンとは違い、手や指で表情が作れること。そしてジャズダンス特有のスムーズな移動や、視覚的効果など、トータルで美しい世界観を作ることができる。それがいかに伝わるかを表現するのがだいご味となる。
私はイメージを膨らますのが好きで、よく発言した。発言によって表現の仕方が枝分かれし、広がっていくのが楽しかった。ただ、私は自分がしたい表現を中心に話している。チームのことを考えて話しているわけではなかった。チームの出来不出来に関係なく、私は自分ができると次に進みたくなる少々せっかちなところがあった。そんな私を、コーチは学年リーダーに任命した。
私は、今チームの表現がどの状況にあるのか見渡すようになった。ただ、急に私は静かになった。これまでの行動は、チームを考えての行動だったのか、私は反省したからである。「チームのことを考えて発言する」というのは、思ったより私にとっては難題だった。いろいろ考えると心の中でブレーキがかかり、考えを整理してから話そうとするとタイミングを逃し、うまく伝えられないもどかしさに悩んだ。そんな日が続いた。「泉らしくない。それではダメなんじゃない」と先輩に励まされた。しばらくしてチームを見渡して気づいたことがあった。ある表現のシーンで振り付けのアレンジがいまいち乏しく、CREAMらしい繊細さに欠けていると感じ、アイデアを出したくてうずうずした。タイミングを逃すと上手く伝えられない。とうとう私は、こうした方がいいと思ったことを発言した。その一言によってチームの動きがガラリと良くなった。少々ピントが外れていても、どんどん発言することでチームを前に進めていこうとする役割を担う人間が必要だということを、コーチはわかっていたのかもしれない。先輩にも励まされた。チームを見渡して発言するということも、自分なりにわかったような気がする。私はこれまでと同じみんなのモチベーションを上げる盛り上げ役へと戻れたような気がした。
優れたコーチに恵まれながら、私たちは日本一を目指す
高校と違い、コーチに毎日指導して頂けるわけではない。シーズン中に週1回、オフシーズンは2週間に1回程度である。このサイクルは、1(2)週間ごとにコーチに成長した成果を見せなければいけない。明らかに先週からの成長が見られないと、私たちは叱られる。つまり、私たちも毎週、毎週成長していくことを目標に練習に励むこととなる。成長した姿をコーチに見せたい。それがソングリーディング部を成長させている。
コーチは一人ひとりの成長をしっかり見ている。自分でも成長したと思えるところを、コーチは見逃さず、ほめてくれる。期待した言葉が返ってくると、うれしくなり、より一層励むエネルギーになる。フォーメーションやシンクロの美しさなどチームの上達も見逃さない。そういう信頼関係の中で、私たちは伸び伸びとソングリーディングを楽しんでいると思う。
私の学年には学年リーダーが2人いる。もう一人は加藤。私はどちらかというとモチベーションを上げる盛り上げ担当で、加藤はチームの緩んだ気持ちをビシッと締めることができるリーダーである。私たちは互いに助け合いながら、チームをもう一段ステップアップさせ、日本一を狙うにふさわしいチームにしていきたいと思う。