チアリーディング部 部長 斉藤 舞
桜美林の伝統は「美しさ」。それはチームの仲の良さが形となる調和。
チアリーディング部 部長 Aチーム キャプテン
斉藤 舞 健康福祉学群 3年
千葉県 千葉明徳高等学校出身
神奈川から千葉の名門、千葉明徳のチアリーディング部に入学
中学の時に習っていたチアリーディングの指導者が、千葉明徳のコーチもしていた先生だった。高校でチアリーディングをしたかった私は、母とふたりで千葉に引っ越し、チアリーディングの名門、千葉明徳高校に入学した。高校で猛練習を重ねる日々のなかで、なぜか、私はチアリーディングの魅力を少しずつ見失いかけていた。そんなある日、桜美林大学のチアリーディング部の方々と合同練習の機会を得た。そこには楽しそうに踊る先輩たちの姿があり、何より光り輝いてみえた。練習を終え、先輩たちと接するうちに桜美林でチアリーディングをしたいと思うようになった。それは、決して練習の厳しさから逃れたいという気持ちではなく、チアリーディングを心から楽しみたいという思いからだった。桜美林大学の3年に私たちの高校の先輩がいた。その周りを1年や2年の後輩たちが囲み、先輩と楽しそうに話している。「学年の隔たりなく、みんなでチアを楽しんでいる」。先輩のその言葉は本当だ。その輪の中に私も居たいと思うようになった。
桜美林大学には、もう一つ魅力を感じていた。健康福祉群には、将来スポーツ系の仕事に就ける専修があったこと。好きなチアリーディングとなりたい将来の職業に就けるチャンスにとても魅力を感じた。
高校のあの時に感じた通りの、桜美林大学チアリーディング部
桜美林大学のチアリーディング部は、高校の時に感じたイメージ通りの部活だった。馴れ合いとは違う、いい意味で上下関係がなく、思ったことを伝え合える風通しのいいチームだった。私は理想の大学生活を過ごす幸せを得た思いで、高校の頃の私が今の私を見たらキラキラ輝いて見えるかもしれないと、ウキウキした。
高校までのスキルの貯金があったせいか、1年からAチームメンバーとして大会に出場することができた。私は基礎練習の手を抜くこともなく、しっかりやっていたし、心からチアリーディングを楽しめていた。しかし、2年の始めに大会に出る選手を決めるセレクションで、どうしてもある技を成功させることができず、苦しい時期を迎えた。それは私自身の力不足もあるが、周りとの連携が上手くできてこそ、成功する技だった。チアを楽しむためには、乗り越えなければいけない壁に、初めてぶつかった。
このままではチアリーディングを楽しめなくなる。私は誰かに背中を押されたわけではないけれど、スイッチが入った。私も努力するけれど、みんなもいっそうの努力をしてほしい。みんなに努力を強いる立場に立つことは、とても勇気がいる。なんだか偉そうで自分を棚の上にあげた発言のように思っていたからだ。でも、思いを伝えたい。私は、積極的に声かけを行うようになった。先輩にもためらわず努力を求めた。今思えば、それが私のターニングポイントかもしれない。自分のことだけではなく、周りをよく見て、話しかけるようになったと思う。そして、ひとりの人間が強い意志を持ち、実行しようと努力すると、必ず、寄り添って助けてくれる人が集まることを知った。私たちのチームは楽しさを失わず、努力を怠らないチームとなっていった。
桜美林の「美しさ」を表現するために、チームワークの良さを築く
今年の春の関東大会は準優勝だった。順位は満足できる成績だったけれど、演技内容については、みんな満足していない。もっとミスをなくさなくては。その思いをみんなが共有し、タンブリングに励む者、筋トレに励む者、それぞれがそれぞれの時間を有効に活用しながら努力している。
私は部長となり、Aチームのキャプテンに任命された。部長に任命されて、急に私は「部長らしさ」について考え込んでしまった。部長をしていた先輩たちは、リーダーシップにあふれ、しっかりしていた。私はといえば、どこか抜けている。きめ細やかな性格でもない。同期の藤田は、その抜けたところが応援したくなると言ってくれるが、不安になり、先輩たちに相談すると、「今のままが、部長らしいとみんなが思って推薦したんだと思う」と諭され、少し気が楽になった。私は見えるところからがんばるしかない。
私は、先輩後輩など学年に関係なく、言いたいことを言い合えるチームが理想だと思っている。桜美林は伝統的にそういうチームだが、もっと、みんなから信頼されてなんでも話せる存在になることが部長の役割だと思う。それならできる。常に自分から先輩や同期、後輩に関われるように積極的に話しかけている。誰かが小さな不満を抱えていたり、スランプに陥っていたりすると、途端にチームの調和が乱れてしまう。不満に感じることはないかよく話し合い、また、誰かがスランプを迎えたら、チームが全力でサポートしてあげる。華麗で豪快さも併せ持つチアリーディングだが、とてもナーバスなスポーツでもある。チームをまとめていくために、私だけではなく副部長の田島がチームのことをよく理解してくれていて、私の足りない部分をいつも補ってくれる。
桜美林大学のチアリーディングは、伝統的に「美しさ」を大切にするチームである。一人ひとりの動きがシンクロし、美しい調和に魅力がある。それはまた、チーム内の仲の良さが自ずと形として表現される美しさであり、さらに深く言うと、礼儀の正しさだったり、日頃の行いの良さだったり、規律ある生活が反映されるのだと、桜美林大学のチアリーディング部は、誰もがそう思っている。そこが、このチームのいちばんの誇りであり、魅力である。