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  • 【Athlete Voice】弓道部 主将 氏家 佑介

自分自身と真摯に向き合い、
高められるのが弓道の魅力

リベラルアーツ学群 4年生
弓道部 主将
東京都 東海大学菅生高等学校 出身

氏家佑介 さん

昔から憧れていた道着、袖を通せば身も心も引き締まる

幼い頃、自宅の近くに大学がありました。そばを通ると弓道場で弓を引く大学生の姿が見えて、その凛とした美しさに憧れを抱いていました。高校に進学して部活を選ぶ時、真っ先に見学へ行ったのはやはり弓道部。日本に古くから伝わる伝統文化であり、日常生活で着る機会のない和服で弓を引くという競技の特徴に改めて興味をそそられました。初めて道着と袴を身に着けた時は心からうれしく、幼い頃からの夢が一つかなったような気持ちでした。私にとっての弓道着は身も心も引き締まる特別な装い。今も道着を身に着けるとあの日の高揚感がよみがえってきます。

大学進学にあたっては、高校のOBに誘われ、桜美林大学の弓道部に興味を持ちました。練習を見学に行ったり、YouTubeで先輩の射(しゃ)を拝見して感じたのは強豪校にふさわしい緊張感の中で練習が行われているということ。厳しい4年間になることは明らかでしたが、ハイレベルな環境に身を置くことでさらに成長できると確信し、桜美林への入学を決めました。

主将として、誰よりも礼を尊ぶ心を体現したい

大学4年間でもっとも印象に残っているのは、1年次の全関東選手権大会で優勝した時のこと。出場選手を筆頭に、他の部員たちも優勝という結果に対して「自分もやるぞ」、「これから何度でも勝とう」という気運がグンと上がるのを感じました。私自身が弓を引く機会は得られなかったものの、出場メンバーとして選手たちを間近で見守るなかで形容しがたい気迫が伝わり、胸が熱くなりました。弓道部の仲間は一番の味方であると同時に、最大のライバルでもあります。仲間よりも中(あ)てなければ選手にはなれない、それは部員全員が意識していることです。一人ひとりの向上心の高さがお互いを刺激し合うことで、成長につながっていると感じます。

主将として、誰よりも射技?射法を追求しなければならないのはもちろんですが、練習外でも礼儀作法を重んじ、人として当たり前のことこそていねいにやろうと心がけています。特に意識しているのは挨拶と言葉遣い。弓道を通じて培った礼を尊ぶ心を体現し、仲間のお手本となれるよう過ごしています。

引退の日まで、できることのすべてを出し尽くす

弓道が大好きで今日まで弓を引き続けてきました。団体で戦う競技ではあるものの、技の錬磨には自分との対話が必須。自分自身ととことん向き合えるところが弓道の最大の魅力だと思っています。基本の型に近づける意識を持ちつつ、体のつくりや日々変化する心身の調子に合わせて毎回しっかりと矢を中てにいく。まったく同じ日は1日もないと理解した上でどれだけ安定して引けるかが大切です。まだまだ納得のいく射ではありませんが、その日その日の最善を尽くせるよう練習に励んでいます。

桜美林大学の弓道部には結果を出せる優秀な選手が集まっています。私たちが卒業した後もずっと、全国で活躍する自慢の部であってほしい。そのために今できることは、指導方針や練習方法を改善してより質の高い環境を後輩たちに残すこと、そして今年の目標である王座決定戦での優勝を目指し、それぞれが全力で取り組む空気を作ることです。引退までの日々、私ができることのすべてを出し尽くしていきたいと思います。

※この取材は2022年5月に「桜美林のスポーツ」サイトのために行われたものです。

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